ひぐらしのなく頃に(解) 祭囃し編 その4
最後まで終わりました。
あと、もう一つの裏エンディングも。
私の「ひぐらしのなく頃に」への読み方として、出題編で楽しんだホラー風味の強かった謎の回答が、「秘密組織」「謎の寄生虫」「実在してる幽霊」であったという事が、とにかく最後まで納得しきれずに終わりました。
うんと。別に、その、「秘密組織」も「謎の寄生虫」もそれはそれで、もっとちゃんと納得できる見せ方があれば、もう少しは受け入れられたんだと思う。
唐突な出現と、ステレオタイプの見せ方に、どうにも陳腐さを感じてしまい、おいて行かれた40歳なのですよ。のれなかったんだよね。ほんとに。
もっと私をだましてほしかった。だましきってほしかった。と思う。
そういう部分へのリアリティとか背景の提示の仕方が、ものすごく強引だったり、変に偏った思想だったり、武器や組織体制の記述だけがエンエン続いていたり、無駄な描写がとことん多かった。
鷹野の後ろ盾の小泉じぃちゃんの発言ってのがさ。もうさ。
ものすっごい嘘くさい。ちっとも、政治の裏を取り仕切っている人物の発言とは思えない。
なんつーのか。役不足。
だったらいっそ、セリフありの出演部分なんか、ない方がよかった。
リアリティと背景を深めようとする描写がことごとく薄っぺらく感じてしまうので、読んでいてどんどん冷めていってしまったのですよ。
冷めてしまった状態で、あの超人バトル大会を見せられてもさ。
もうついていけないのですよ。
超人バトルの果ての「奇跡」とか言われても。
それはもう「奇跡」ではなく「必然」。あって当然。何の不思議も神々しさも感じない。
まぁ、でも、この乗り切れなかった状況は、私の方に責任があるハナシなので。
もうあきらめるしかない。
私がのれなかったんだもん。
私がいけないね。あはーん。
あー、でも、「野村」が、鷹野の研究で「女王感染者の死後集団発狂」の点を、まったく信じていなかったのは、よかったよ。
私も指摘できた点だし。
「わぁ。あたしと同じ事いってるー!」と、共感できた部分です。
でね。
そういった、のりきれなかったという状況はおいといて、物語として、ものすごい疑問が残ったままなのですよ。
疑問その1
なんで羽入は、雛見沢赴任直後の鷹野の前に姿を現したの?
鷹野の前に現れた羽入は、皆殺し後の羽入と思われ、鷹野との対決宣言をするけれども。
ここで疑問なのは、「運命ループ、時間ループの枠をはずれた、任意の時間帯に自分の意志で出現している」という事。
羽入は、好きな時に、好きな場所に、好きなように出現可能キャラだったのか。
本人の意志で実体化可能だったとして、ループのルールまでも羽入には通用しなかったというのは、どーだろな。
それができるのであれば、またずいぶんハナシは変わってくる、と思うが。
全部先回りできるじゃんね。
鷹野の意志のちからの方が強かったにしても、もっとできたはず。
なんか、ずいぶん酷いな。
疑問その2
梨花ちゃんまでルール無用の超人化?
引っ越し前の圭一父の前で、実体化した羽入とともに奇妙な踊りをみせ(笑)、雛見沢に関心を持たせるカケラがあったけど。
あれ、会話内容からして、皆殺し編の後っぽい決意がみえたけど。
そうだとしたら、梨花ちゃんにも、時間ループのルールがない事になるね。うん。
皆殺し編前だとしたら、羽入の実体化が説明つかない。
運命への対峙を覚悟していない羽入に、何故実体化が可能だったのか?
疑問その3
結局、梨花の両親が殺されたのは、入江の一言でもあったということ。
実際に手を下したのは入江でなくても、一味ではあったよね。梨花両親殺害の。
そこら辺の罪は、もう忘れたのかな。入江も梨花も。
その上での大団円?
疑問その4
雛見沢症候群が、何故、雛見沢にだけ発祥する「寄生虫」なのか不明。
特別、特異な特徴のある地域ではなく、「雛見沢だけにある何か」があるワケではないし。
つか、研究者なら、まずそこも確実に調べるでしょう。
寄生虫って事は、その虫を運ぶ媒介があるって事じゃん。
それを放っておいて、どうして寄生虫の研究ができるのか。
変なハナシだ。<
村人全員が感染していなくちゃいけない「前提」を埋める為に、「寄生虫」を使ったんだろうけど。
逆に言えば、「寄生虫」である必要はそんなに意味無いって事だよね。
「風土病」「遺伝病」「薬物による後天的・人為的な発祥」。
なんか、だから、もうね。ファンタジーなんだよな。
このありえない未知の寄生虫ってヤツが。
魔法の世界の不思議な現象だ。
その癖、なんとかリアリティ持たせようと、政府機関とか黒幕とか諜報部隊とか出してきて、しかもそれらの描写が薄っぺらく、何故だか書けば書くほどリアリティを失っていくから、不満がのこるんだなぁ。私的には。
疑問その5
他にもいろいろ細かい所で、投げられっぱなしの問題があるよねぇ。
鬼隠しの時計裏のメモとかさ。
物語のミステリー度を上げるのに、非常に貢献していた問題を、何故、投げっぱなしにしたのか(笑)
これが最大の謎。
だって、罪滅ぼし編以降のひぐらしって、結構批判でてたじゃない。作者がへこむほど。
だったら、こういった「演出として存在させただけで、具体的な解決を示さない」ってのは、一番やっちゃいけないんじゃないの。
それすらたたみ込めるほどの、圧倒的な大団円、というほどではなかったし。
「あとは、読者が考えて楽しんでね。」ってさ。
ずいぶん見事に投げたな、と(笑)
だったらもう、出題編だけで「解」編いらなかったやん。
謎に対する回答を放棄しちゃさぁ。「解」じゃないじゃん。
んー。それから。まぁ、もう、魔法のファンタジー世界なので、羽入の家系がどうとかってゆー設定語られても、正直、興味ないし(笑)
それを聞かされたからといって、羽入になんらかの感情が動くこともなかった。
羽入の500年の孤独は、誰にも認知されない(実体化できない)孤独だったと、前に書かれていたように思うけど。
気のせいだったのかな。
でも、羽入が顔黒くして目赤く光ったビジュアルは良かったよ。
えーとね。だからね、私的には、もうね。
余分な薄っぺらい描写の多さと、文章の下手さがね。
どうにもこうにも。
カタルシスを得られるほどの大団円には思えない。
何が望みなのか、と聞かれても困る。
ただ、「この大団円にはのれなかった」だけ。
運命への対決やら、人間の罪を負う神やら、仲間との信頼やら、いろんなテーマはあったと思うが。
読み終わってみると、どれもこれも散漫で、沢山沢山脳内補完しないと、昇華できない最後でありました。
私には。
文章読解力とか想像力とかがかなり高い人であれば、十分満足できる出来なのかもしれないけれど、
私的には、無理。
うまくできませんでした。40歳だもの!(笑)
がっかり感が残ります。
でも、PS版になって、選択肢付きのアドベンチャーに書き直された時、無駄な描写がはぶかれたり、視点や文体の統一性や、見せ方が上手くなった時、もうちょっと楽しめるんじゃないかな、と思う。
だから、PS版は絶対買うよ。
楽しみに、待ってるよ。ほんとに。