バタフライ・エフェクト(劇場版)

バタフライ・エフェクト プレミアム・エディション
バタフライ・エフェクト プレミアム・エディション
  • アーチスト: アシュトン・カッチャー
  • 発売元: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2005/10/21
  • 売上ランキング: 1593
  • おすすめ度 4.5

商品の説明
Amazon.co.jp
劇場公開された週末の興行収益のよさもさることながら、『バタフライ・エフェクト』は家で、後ろめたく思いながら見るのもまた楽しい作品だ。
脚本兼監督のエリック・ブレス、J・マッキー・グラバーのコンビ(2人は『デッドコースター』の原案を書いている)は、場当たり的に論理が展開するルールを崩しておらず、品のないサスペンスである本作も不快感をいっぱいにして、永遠の破滅が魅力的な選択肢に思えるように仕立ててある。
アシュトン・カッチャーが、 TVシリーズ「That ’70s Show」のキャラクターとは逆転して、心理学を学ぶ大学生を演じる。彼は子供のころの日記を読み返して、自分の過去を訪れ、トラウマになっている出来事を変えることができることに気づき、以前の不幸な結果を良くしたいと願う。
だがその代わりに、「バタフライ・エフェクト」というカオス理論(本作の題名であり、『ジュラシック・パーク』でジェフ・ゴールドブラムが演じたキャラクターによって有名になった理論)による向こう見ずな経験が、悪夢のように続く様々な出来事となる。どの出来事も彼や彼の友人たちにとって悲惨な結末となる。この興味深い前提条件は、いくつかの面白いひねりによって探求されるが、児童ポルノ、動物虐待、神を冒涜する暴力的な子どもたちといったわき筋によって娯楽映画と呼べる作品になっている。(Jeff Shannon, Amazon.com)

内容紹介
君を救うため、ぼくは何度でも過去に戻る。
全世界で大ヒットを記録した、未体験のノンストップ・ラブサスペンス!!
最も切ないハッピーエンドの物語、待望のDVD解禁!!< 劇場公開版とは異なるエンディングのディレクターズカット版本篇&貴重な特典映像を特別収録した2枚組プレミアム・エディションDVDでリリース決定!!

お気に入り度:rating_40.gif

※以下のDVD紹介内容は、過去に私が別のブログでエントリした「劇場公開版」の記事内容を再編集したものになります。

あー!もー!相当面白かった!!
観ている最中、あんまりの面白さで、口がぱっかり開きっぱなしだった!(笑)
久しぶりに、ぞくぞくするもの観れた!!
「SAWソウ」「オールド・ボーイ」以来かなぁー。
いや、もー!面白かった!!!
何が面白いって、あーた!あらすじ読むと、タイムスリップのSF物かと思いきや、純愛モノなんですよー!
タイムスリップ自体も、SFっぽくなく、記憶回復調な仕組みを利用しているので、SF色はあんまり感じられず、気がつくと、純愛に涙している自分がいるワケです。
んー。面白かった。ホントに。

映画の冒頭、いきなり、ぽんぽんぽんっと大量の謎が並べられます。
え?なにこれ?どーすんの?と、全く処理にも理解にも困る唐突な並べられ方ですよ。
どーすんのかと思った。いきなり謎だけを提示されてさ。
そしたら、偶然、その謎を解明する方法を主人公が見つけるわけですね。
簡単ですよ。昔の日記を読みながら、無くした記憶を思い出してみるダケです。
そんだけで、その時点に戻れちゃうんです。
最初は、ただ思い出してびっくりするだけの主人公だったけど、思い出した時点に対して、働きかけができるのに気がつき、やり直そうとがんばるのですよ。
もー、それからは怒濤の展開!パズルをくるくるはめ直すように、あっちをこうしたら、こっちがこーなって。行き当たりばったりではなく、かなり練られた緻密な構成です。
計算しつくされたパズルの中に、いきなり放り込まれた感覚は、目眩にも似た快感でした。

こっちもこうしたら、こっちがこーきた!みたいな、目まぐるしい変化がぐるぐる起きる!
ものすごいぐるぐる感!翻弄される快感!
あの時、子供だった自分は何もできなかったが、何とかしていたら別の未来があったはず!
そうして、やり直した結果、大きく未来が変わっていて、でもその未来でも、避けられない問題は起きてしまう。
その問題を起きさせない為に、また過去に戻って別の方法をとってみる。
そうして、主人公が行き着く未来は、選択できた過去は、誰の為のものなのか。

主人公の気持ちが、行動原理がとてもわかりやすいので、非常に感情移入しやすいです。
なんとかできるチャンスがあるから、なんとかしたい!それだけです。
その時をうまく回避できたと思っていても、それが思いも寄らない結果を引き起こしていたり、なかなかうまくいきません。
そのジレンマが、次のチャンスに手を伸ばさせる。
予想しやすい展開ながら、このドキドキ感は、なんでなんだろう。
今度はどんな「避けられない問題」が起きているのか、起きるのか、そんなバッドを待ち望む、悪いワクワク感があるのですよ。
でも、その先に、びっくりするほどの「純愛」が現れるものだから、一気に心が浄化されて、ごく自然に涙がでる。
こんなに激しく感情までも、くるくると翻弄されるとは思わなかった。
本当に面白かったです。
各所で高お気に入り度なのも当たり前です。本当に面白いんだもん!

過去の選択によって、エヴァンの環境が変わるのはもちろんの事、性格まで変わってたってのは面白かった。
ケィリーとのラブラブ生活バージョンでは、ハイソな大学生になっちゃってて、後輩苛める大学生活を自信満々で送るイヤなヤツっぽくなってるのが、妙に新鮮でした。
ハイソなイヤな奴ではなかったら、ケィリー兄を撲殺したりしなかっただろうなぁ、とも思います。

あと、自分の両腕を失ってしまうバージョンでは、ケィリー・ケィリー兄・レニーが幸せ絶好調の中、自分と自分の母親だけが辛い状況だったってのに、納得できず、やっぱり過去を変えようとするエヴァンが、綺麗な気持ちだけじゃなくて良かったです。
この時の彼は、両腕を失っても明るく過ごしながらも、気持ちの中では卑屈が育っているって描写が非常にリアルでした。

過去の選択によって、変わっているのは周りだけではなく、自分自身でもあったというのが、普通のタイムスリップものじゃないって感じで、新鮮です。
その変わった自分自身が、原因となって、良い結果にならないのも、ファンタジーに逃げてないなって感じですね。

以下、理解できず、自分の中で残ってしまった謎です。
これは、セル版を買って、ディレクターズカット版を見れば説けるのかな?

【冒頭のエヴァンの書き置き】
エヴァンは、冒頭で「これが失敗したら僕は死ぬかもしれない」と書き置きをしている。
この時、エヴァンが試したのが、8mmテープでのタイムスリップ。
このタイムスリップでは、初対面のケィリーに「近づくな」と今後の関係を拒絶する脅しをする。
この行動が、エヴァンの死につながるとは思えない。
但し、これは、タイムスリップを繰り返す事で、脳が多重世界の記憶を記録しなおす負担により
死ぬ事を差している可能性もある。
そうだとすると、ラストシーン、身体に何の障害もなく「患者」と接する仕事をしてるエヴァンには、違和感がある。
この部分が、ディレクターズカット版に関連してると思われる。

【ダイナマイトの導火線】
最初の流れでは、13歳の時、ポストに仕掛けたダイナマイトは既に導火線が短かった。
2回目の映画撮影時へのタイムスリップで、父親を脅す道具として取り出したダイナマイトは、導火線が充分長かった。
どこで、導火線が短くなったのかが、残る。
ダイナマイトに火を付けた後、その火を消せた選択肢があったのではないか?だから導火線が短くなったのでは?
そうすると、兄は父親からの虐待も無く割と普通に育てたか、ダイナマイトが違う場所に隠されたりとかで
ポスト爆弾事件が怒らない可能性がある。これが最良の選択肢だったのでは?

【虐殺の絵】
結局なんだったのか。刑務所の同室の男の絵を描いただけなのか?

【父親死亡フラグ】
ケィリーが爆死していた場合、その後ずっと病院暮らしなので、日記は書いていない。
父親に面会前の出来事なので、父親には会っていない事になる。
医師の話の中で、「お父さんと同じになってきたね。彼はありもしないアルバムを探してたけど。」と
過去形で、ハナシが出てくるので、死亡したと思われるが、いつ、どのように死亡したのかがはっきりしない。

【7年間連絡をしなかった謎】
大好きなケィリーと別れる事になった時、「君を迎えに来る」とメッセージを残しながら、
結局7年間一度もお互いに連絡を取らなかったケィリーとエヴァン。
あんなに色んな事があって、それもあって絆が強くなった割に、どうしてお互い7年間も
ただの1度も連絡を取り合わなかったのか。
連絡を取り合わなかった理由が見つけられなくて、なんだか納得できない。

DVD