「煙か土か食い物」:舞城王太郎

煙か土か食い物
煙か土か食い物
  • 発売元: 講談社
  • 発売日: 2004/12
  • 売上ランキング: 25344
  • おすすめ度 4.0

お気に入り度:rating_50.gif

初めて読んだ舞城王太郎の本がコレです。
最高に幸運でした。

コレは、買ってから半年くらいずーっと本棚に入っていて、本当に最近、思い出して読み始め、もう、読み始めてからは、一気です。
息つく暇なく、止める間もなく、ただただ振り回されるままに活字を追い、ページをめくり、流れ込んでくる大量の極彩色の文字を、次々と頭に流し込んでいました。

こ ん な の 初 め て

やられちゃった。もう、戻れない。
普通じゃ満足できない体にされちゃった。 という感じです。ほんとに。

すごいんですよ。本当に、これ。
まず、文章のスピードが速い。
本来、本を読むという事は、読み手が読むスピードをコントロールすることができるはずなんだけど、これはできない。だめです。
読まされます。猛スピードで。
ジェットコースター。
手を離すと飛んでいっちゃうから、必死で握りしめますよ。
すごい風圧。<
ああ、でも、なにこれ。気持ちいい。

何故こんなにすごいスピードなんだか、何回読んでもわかりません。
すごいんですよ。これ。
文章に句読点ないし、改行ないし、もう、ずーーーーーーと、エンエン一人称での思考が続くんです。

でも、すごいの。振り回されるの。

ハナシ的には、一応、物語の発端となる連続事件が起きるんだけど、そんなのどーでもいいんですよ。
もう、四郎のハイテンションでハイスピードな思考について行くのがやっとで。
気がついたら、事件とは関係のない所にいたり、家族のしがらみにぐっときたり、事件が解決してたり!
何がなんだか!つか、とにかく、一郎は眼鏡!

最初の5/1程度を読んだ段階では、私の中でこの奈津川兄弟達は、ボクシングの亀田兄弟とかぶってました(笑)
だって、四郎がすっごい言葉とか下品だし、俺様ダイスキーだし、人の話聞かないし、暴走野郎だし(笑)
脳内では、四郎は亀田兄弟でしたよ。ほんとに。

でも、途中から、背が高い美形兄弟という事が判明して(笑)
ちょっとがっかり(笑)
だが、そのギャップがいい!

いや、もう、本当にこれ。
どーにかされちゃったからさ、もう。

つーわけで、この1冊は私を変えました(笑)
読書に対する快楽の味を変えました(笑)