マスターズ・オブ・ホラー ミック・ギャリスVSウィリアム・マローン

マスターズ・オブ・ホラー ミック・ギャリスVSウィリアム・マローン
マスターズ・オブ・ホラー
ミック・ギャリスVSウィリアム・マローン
  • 発売元: 角川エンタテインメント
  • 発売日: 2006/10/27

ミック・ギャリス監督:チョコレート
<ストーリー>
ジェイミー(ヘンリー・トーマス)は、シカゴの某食品研究所で人工フレーバーを研究・開発の仕事をしながら、同僚のウォーリー(マット・フルーワー)とはいつも楽しい雑談をし、新しい彼女を作れと叱咤激励を受けていた。実は7年間連れそった妻とは離婚したばかりで、幼い息子は彼女が育てていた。
ある日、ジェイミーが目覚めると、口の中にチョコレートの香りと苦味が残っていることに気がついた。不思議な感覚だったが、その原因が一体何なのかは全く不明だった。
そしてウォーリーが在籍するロック・バンドのライヴ会場でも、突然、周囲の音楽や雑音が全て消え、彼の頭の中だけに心地よい音楽が流れてきた。そして、車で帰宅途中でも、突然、一度も行ったことのない街並みが眼前に広がり、危うく事故を起こしそうになる。
そして、そんな不思議な感覚に度々陥ることで、一度も面識のない、どこかの女性の感覚や感情を共有体験していることを初めて理解できた。その女性が若い男性と激しいセックスしている最中に不思議な感覚に陥ったために、ジェイミーも激しい感覚に襲われることになった。だがその女性が愛していることで、ジェイミーも愛することを初めて感覚で感じるようになり、この上ない喜びを感じてしまう。
そんな奇妙な体験をウォーリーに話すが、病院へ行けとすすめられるだけ。だが、その不思議な感覚によって、ある事件を共有してしまい、彼女の行方を探し始め、徐々に彼女を愛するようになっていく……。

ウィリアム・マローン監督:閉ざされた場所
<ストーリー>
私立学校に通う16歳のタラ(リンゼイ・パルシファー)は、内向的で自分の世界に入り込みがちな女の子だった。ボーイフレンドも欲しい年頃だが、シャイで思うように行動することができない。
 ある日、タラが自転車に乗って帰る途中、ワゴン車にいきなり撥ねられ、その車から降りてきた警察官の服を着た男に拉致される。
 タラが目覚めると、そこはベッドの中。看護士と名乗る女性ジュディス(ロリ・ペティ)は、安心するよう言葉をかけるが、部屋を見回してみると、どうも怪しい。窓にかけよって開け放つと、広大な領地の中に建つ屋敷の中にいることが分かり、叫び声をあげるが虚しく響くだけだった。
 ジュディスと夫のアントン(ウィリアム・サンプルス)は、暴れ回るタラを薄暗い地下室に放り込んだ。そこには様々なものが置いてあり、リュリック音楽院と明記された音楽の教科書を見つけ、昔、この屋敷が音楽学校であることを知る。最初は薄暗くて分からなかったが、少年が首を吊って苦しんでいる姿を発見し、すぐに助けた。少年の名前は、ジョニー。タラとジョニーは徐々に信頼関係を築き、お互い好意を抱き始め、一緒に脱出しようと決意する。
 アントンとジュディスは、「愛から生じる行為は、善悪を超える」の信念のもと、犯罪行為を正当化しようと葛藤していた。全ては、息子が川で溺れ死んだことから始まっていたのだ……。

【ミック・ギャリス監督:チョコレート】
お気に入り度:
途中まで面白かったような気がするんだけど。
オープニングは、既に「事件」が終了した後の血まみれ主人公の回想から。
この時に、主人公は血まみれながらも無事な状態なので、ある程度「事件の結果」は予測がついてしまうけど、それがラストシーンとは限らないし。
というわけで、唐突に遠い場所にいる赤の他人の感覚を共有する事ができるようになっちゃった男のハナシです。
ほんの2~3回、感覚を共有しただけで(この時点では女性の姿は見てない)、彼女を愛していると確信する男。
なんかそれ、理解できない。
スーパーで知り合った女性といい感じでベッドインまでしてるのに、女性が男に抱かれてる感覚を共有した途端、その女性も離婚した妻も息子も、彼の中から消え失せます。
そんだけ強烈な体験で、虜になったって事か?!?(笑)
それならそれで、変に「愛」なんて言わないで、「感覚の虜」になったという事で、その女性に執着してればまだ分かりやすかったような気がすんだけど。
まぁ、色々あって、その女性を捜し出すんだけど、当然相手にされなくて、殺し合うハメに(笑)
オープニングで、主人公は無事だったので、勝負は読めちゃう。
でも、女性本人を目の前にして、その女性の視覚を共有したのは意外だった。
でも、それが勝負に影響したかってーと、そうでもなくて、意味不明。
最後は、殺し合いの決着がついたオープニングの時点で終了。
って、ええ??これで終わり???
まだなんかあるのかと思って、一生懸命エンドロールみちゃったよ。
私的には、この後主人公は、死後の女性の感覚を共有し、恐ろしい思いをするとかなんとか。そーゆー感じのオチがなんか来ると思ってたんだけど。なんもなかった。
オチが無い、という珍しいパターン。

【ウィリアム・マローン監督:閉ざされた場所】
お気に入り度:
面白かったよ。結構。
なんで遠く離れた彼女が狙われたのか、ちょっとそれが意味づけ薄かったけど。
閉じこめられた後の、少年の変身した後の姿はなかなか可愛い。
枯れ草とか枯れ枝とかアクセサリーにしてて、割とおしゃれさん(笑)
彼が動くときの「カラコロカラコロ」って木琴っぽいの音が、「もののけ姫」の「コダマ」が出す音っぽいし、彼自身も非常に「コダマ」に似ている(笑)
つか絶対似てる。絶対、コダマが原案だと思う!(笑)
なんかの魔術で死んだ息子を蘇らせる為の生け贄集めだったワケだけど、彼がちゃんと蘇ったあと、いったいいつ「格安の契約」をしたんだろう。
あと、彼が本当に生き返る為の儀式が、門をくぐっていくだけってのは、肩すかし(笑)
冒頭で、あんだけ黒々しい魔術儀式を見せてくれてたのに、最後の仕上げがアレって(笑)
格安の契約が執行される時になって、初めて彼のくちから、両親の才能への嫉妬が語られたのはびっくり。
そんな設定があったんだったら、両親の演奏が聞こえてくると苦しむとか、なんかそれ系の伏線があっても良かったのに。
で、窓から飛び込んできたコダマ2号には爆笑(笑)
ちゃんと女の子っぽくなってるし(笑)
ちょっとラストシーンが長すぎたかな。
目が覚めた女の子と再会して湖まであるかなくてもいいのに。
それだったら、目が覚めた女の子に、あの勇者の女の子の絵を見せてお話をしてあげる、ってラストの方がすっきりしそうだけど。
あとは、二人してまた、コダマ1号2号になるとか(笑)

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