マスターズ・オブ・ホラー ダリオ・アルジェントVSラッキー・マッキー

マスターズ・オブ・ホラー ダリオ・アルジェントVSラッキー・マッキー
マスターズ・オブ・ホラー
ダリオ・アルジェントVSラッキー・マッキー
  • 発売元: 角川エンタテインメント
  • 発売日: 2006/10/27

ダリオ・アルジェント監督:愛しのジェニファー
<ストーリー>
刑事フランク(スティーヴン・ウェバー)は、ホームレス風の中年男性が若い女性(キャリー・アン・フレミング)に斧を振りおろそうとした瞬間、拳銃を発砲する。その場に倒れ込む中年男性は、「ジェニファー……」とだけ言い残し絶命。そしてフランクは、若い女性の顔を見て驚いた。
フランクが殺害した容疑者は、実はかつて裕福な実業家であったことが判明する。なぜ、ジェニファーと思しき女性を殺害しようとしたのかは全く不明だった。ジェニファーは、美しいブロンド・ヘアー、セクシーで完璧な肉体を持ちながらも、その顔はとても醜かった。目は感情のない瞳が不気味さを漂わせ、口は醜く大きく歪み、乱れた歯に獣のような犬歯が生えていた。でもフランクが近づくと、ジェニファーが甘えるようにして寄り添ってくる。
ジェニファーは身寄りもなく、知的行動力に障害があることから公的な施設に預けられるが、フランクはいたたまれず自宅に連れていく。すると妻と息子は、彼女を嫌悪するかのように家からすぐに出してくれと言う。間もなく、フランクにも分からなかったジェニファーの生態が明らかになる。
フランク一家の飼い猫を殺し、その生肉を喰らっていたのだ。それを見た妻と息子は家から出ていってしまう。フランクは、ジェニファーを巡回公演中のサーカス団に引き取ってもらうことにし、多少の罪悪感を抱きながら自宅に戻ってみると、そこで怖ろしい光景を目にする……。

ラッキー・マッキー監督:虫おんな
<ストーリー>
ある夜、元大統領演説ライター兼選挙顧問のデイビッド・マーチ(ジョン・テネイ)と女性憲法学者のジェリー・昆虫学修士をもつアイダ・ティーター(アンジェラ・ベティス)は、昆虫の研究を仕事にしているだけでなく、高級アパートの自室に様々な虫を飼っていた。しかも彼女はレズビアン。つきあい始めた女性が、アイダの部屋に遊びにくると決まって気味悪がり、翌日にはデートのキャンセルのコメントが留守電に録音されている。そして、ふられる度に泣きじゃくる。そして、会社の同僚マックスに、ペットで虫を飼うなと、恋の指南をされる。
ある日、アイダの部屋の前に、差出人不明の包みが置いてあった。中には見たこともない昆虫が入っていて、名前をミックと名付けた。だが容器から抜け出したミックは、アイダの枕の中に潜んだ。
アイダは覚悟を決め、以前から気になっていた若い女性ミスティ(ミスティ・ムンディ)に声をかけ、デートの約束をした。緊張の初デート、そしてアイダの部屋にミスティが遊びにやってくる。二人が体を重ねはじめると、枕の中からミックの体の一部が伸び、ミスティの耳の穴に侵入する。
しばらくすると、ミスティの耳から不気味な分泌液が流れるし、様子だっておかしい。昆虫用の餌だけでなく、我慢できずにペットの昆虫も食べてしまう。
やがて、あの袋の差出人が恩師であるウォルフ教授であることが分かった。アイダ宛の手紙によれば、その昆虫は大変危険で、寄生したホ乳動物を殺す場合もあるという。ちょうど、その頃、アパートの管理人が階段から落ちて死ぬ事件が起きた……。


【ダリオ・アルジェント監督:愛しのジェニファー】
お気に入り度:
予想通りのラストです。でも、面白い!
オープニングをみた時から簡単に予想できるラストに向かって、寄り道なしの一直線、て感じ。
とくに目新しさもないのだけど、ヒロインのジェニファーの個性が強烈で、見る価値はあります。
彼女の動物的な動きや本能的な行動原理、その容姿と反比例した素晴らしいボディ。
関わった男、全てを虜にして、欲望のまま本能のままに生き延びていくジェニファーは、とても魅力的です。
結局ジェニファーが何者なのかわからないままですが、それは必要ない事です。
最近には珍しく子供が虐殺されるシーンがはっきり出てきますが、それはやっぱり「ダリオ・アルジェント監督」だからできた事なんじゃないかなぁ。
えたいの知れない美女(?)に翻弄され、どんどん破滅してく男を描いた、ある意味とてもクラシックなホラー。

【ラッキー・マッキー監督:虫おんな】
お気に入り度:
レズビアンがヒロインという珍しいホラー。
なんで、レズビアンがヒロインなんだろ?と思ってずっとみてたけど、最後のシーンで納得。
これ(虫を身籠もったレズビアンカップルの幸せな妊婦姿)がやりたかったのか、と。
ヒロイン・アイダの不器用なレズビアンっぷりが、なんか微笑ましい。
てんとう虫に憧れる小さな女の子がすごく可愛かった。
ホラー的な要素は、結構低いけど、ちょっとびっくりなシーンがある。
虫自体は、結局枕の中からあまり移動してないし、恐怖の対象にはならない。
虫にさされたミスティの変貌っぶりも、1シーンを除いて、それほど恐ろしく変貌するワケじゃないし。
むしろ、性格変わってしまったにも関わらず、結局アイダへの愛は無くしていないあたり、逆に可愛らしい(笑)これは、ハッピーエンドなんだろうな(笑)

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