マスターズ・オブ・ホラー ジョン・カーペンターVSスチュアート・ゴードン
- マスターズ・オブ・ホラー
ジョン・カーペンターVSスチュアート・ゴードン -
- 発売元: 角川エンタテインメント
- 発売日: 2006/10/27
ジョン・カーペンター監督:世界の終り
<ストーリー>
経営難の映画館を抱えるカービー・スウィートマン(ノーマン・リーダス)は、副業で希少フィルムを発掘し、金持ちの蒐集家に売る商売をしていた。カービーが、謎めいた大富豪ベリンジャー(ウド・キア)から依頼されたのは、70年代に撮影され、たった一度だけ上映された、フランスのホラー映画『世界の終り』の幻のフィルムを持ち帰ることだった。
この映画は、忌まわしい記録と噂が流れていて、「シトヘス映画祭」の上映時、暴動が起きた。監督のパコヴィックは、フィルムを国外に持ち出そうとしたが政府が没収し、廃棄されたという噂がある。映画は未完で、この世にあるのは、その時のプリントが一本あるだけ。83年にもロッテルダムで上映される予定だったが、上映会場の焼失によって中止になる。だから作品を観たのは、この世でシトヘスの観客だけだという。
しかも驚いたことに、ベリンジャーは、『世界の終り』に出演したという、痩せこけた白い男と、その男から切断したと思われる翼をコレクションしていたのだ。彼は異常な目をギラつかせ、「『世界の終り』は、本物のパワーを持つ映画だ」と言う。カービーは、経営難の映画館を救うため、20万ドルの報酬で引き受ける。
カービーは手かがりを追って、ニューヨークの映画評論家マイヤーズに会う。彼は『世界の終り』の怖ろしさを伝えようと膨大な評論を執筆中で、異様な雰囲気を漂わせていた。マイヤーズから受け取った、パコヴィックの取材テープを聴いてみると、カービーはかつて自殺に追いやってしまった恋人の悪夢に苦しむことになる……。
スチュアート・ゴードン監督:魔女の棲む館
<ストーリー>
ミスカトニック大学の学生で非ユークリット専門のウォルター(エズラ・ゴッデン)は、古ぼけたアパートを訪れ、ある部屋を借りた。壁の中からネズミらしき音が聞こえてくるが、管理人に言わせれば、嘘か真か分からぬが、築三百年だから、ネズミの一匹や二匹がいてもおかしくないという。
管理人の他には、母親フランセスと赤ん坊のダニー、いつも十字架を持って何かを祈っている老人ジョーが住んでいた。
ウォルターは早速、パソコンで部屋の奇妙な空間を調査していく。その部屋の奇妙な空間が交わる交点を見つけることができれば、別次元に自在に行き来できると確信していた。
そんなある夜、本を読んでいるとうたた寝をしてしまう。すると、壁が青白い光を発し、不気味な人面ネズミが現れた。
翌日、ウォルターは、フランセスから1~2時間ダニーを預かって欲しいと頼まれる。フランセスの部屋でダニーの子守をしている内に眠りこけてしまうと、漆黒のローブをはおった妖しい影が忽然と現れた。その影がローブを脱いでみると、そこには全裸のフランセスが立っていて、ウォルターを誘惑してきた。ベッドで愛を交歓していると、彼女が鋭い爪で、ウォルターの背中に深い傷を何本もつけた。すると突然、フランセスの姿が醜悪な魔女の姿に変わってしまった。
驚いたウォルターが目覚めてみると、そこはフランセスの部屋ではなく、自分の部屋だったのだ。あの魔女は夢だったのか……でも自分の背中には幾本もの傷が実際についている。このアパートで、一体何が起きているのだろうか……。
【ジョン・カーペンター監督:世界の終り】
お気に入り度:
つまらなかった。
何度も何度も、『世界の終り』という映画がどれだけ恐ろしいチカラを秘めているかが語られるのだけど、こういうタイプのハナシって、結局その『世界の終り』の中身を観客には披露しないから、どーしても説得力がない。
いつの間にか人々が恐ろしい呪いにとりつかれているんだよ、と言われても。
あと、設定にいくつか穴があって、60分という長さのハナシではないよ。
まぁ、でも、この流れで100分くらいやられてもイヤだけど。
がんばって、いろいろと移動はしているけど、それで話が大きく展開するでもないし。
あれだけ入手困難なフィルム!と強調されてたのに、結局、主人公の知人に情報を持ってる人がいたってご都合主義もねぇ。なんか。
天使の存在やら、切られた羽やら、上映映画館で起きた暴動とか、投げっぱなしのエピソードが多すぎし。
主人公が背負ってた「罪」への贖罪も、別にこの映画に関わらなくても「実行」できてたんじゃないのかな?って。
安直なラストだと思ったよ。
【スチュアート・ゴードン監督:魔女の棲む館】
お気に入り度:
退屈だった。
つか、主役の役者さんが選択ミスだと思う。
顔や表情が、コメディ・アクタータイプだよ。
話も説明ぬかしてる事がいくつかあるし、アパートの古さに説得力がないから、魔女やヒトネズミに重さがない。
魔女の存在感が無いし、同じアパートにいた以前の魔女の犠牲者が、なんでいつまでもアパートにいるのか説明が無かったし。
なんか、ただのコラージュな印象。
「魔女」「人の顔のネズミ」「翻弄される主人公」これを切って貼って、それっぽい模様にしてみただけな感じ。
最後のオチも結局それで、どう考えていいのか。
警察官の目の前で、未知の魔物にとりつかれたと主張して精神病院にいれられた男の腹からヒトネズミが食い破って飛び出してくるって。
うーん。なに、そのオチ?
警察官、だからどうした?ってスルーだし。
こっちもスルーするしかない。