夏の夜の洗濯物干し

いつもだけど、うちでは洗濯物は夜干している。
休日とか、一日家にいる時は、ちゃんと朝とか昼とか、お日様がいる時に干すけども。

私は、洗濯物を干すのは好きだけど、たたむのが嫌い。とても嫌い。
なんでかっつったら、洗濯物をたたむ時は、その洗濯物をずっと見てないといけないし、
洗濯物によってたたみ方は違うし、結構真剣に「洗濯物をたたむ」という事に向き合っていないと終わらないからだ0pp_14.gif
つまり、テレビ見ながらできないってゆーのが一番大きい理由だ(笑)

そんな洗濯物たたみ嫌いの私だけど、洗濯物を干すのはものすごく好き。
限られたピッチ数の角ハンガーの中に、如何にバランス良く、美しく、効率的に干せるのかは、非常に頭を使うパズルのようで、とてもスリリング。
美しく、華麗に、風通しよく洗濯物をちょうどよく干しきれた時の満足感といったら、ないのよ。

こちゃこちゃと細かい事をちくちくつぶしていくようプログラムのバグ取りの仕事のようで、集中力と忍耐力と記憶力が、非常に試される。
言ってみれば、洗濯物干しは、私に対する洗濯物の挑戦だと言ってもいい。
だから、なおさら洗濯物をたたむ行為が嫌い。
あんなにスリリングに戦った相手が、戦意もなくだらしなくひろがり、その総てを私にまかせきっている様は、真剣に戦ったライバルが一気に腑抜けになってしまったような落胆を感じる。

私の洗濯物干しは、夜。暗いときに行われる。
今の季節、明かりをつけようものなら、蚊が喜んで飛んでくる。
どんな洗濯物があるのか、頭ではわかっているけれど、どの洗濯物がカゴのどの辺にあって、次に手に取るのはどれになるか、なんてのはわからない。
私は、いつも暗闇で、ひとり、洗濯物と頭脳ゲームをしている。
そして、この時期、夜も非常に暑いので、洗濯物を干しているだけで、汗をかく。ものすごくかく。
それでも、がんばって、汗をだらだらかいきながら、美しく洗濯物を干しきり、華麗な頭脳戦を終えた満足感でもって、部屋に戻ると、部屋の中は冷房で涼しい。
そして、部屋の中は明るい。
さらに、今から、汗だくの私はお風呂に入る。
どうよ、この恍惚感!
辛いけれど、私は夏の夜の洗濯物干しが一番好きだ。