狙われたタロウ

タロウとふたりで、お買い物に行った時のハナシです。

タロウは、スーパーというトコロには、素敵な甘いお菓子が山ほどあるってのを知ってますので
スーパーに連れて行っても、側にいてくれないです。
野性的な勘を働かせて、初めていったどんなスーパーであっても、必ずお菓子売り場に到達可能です。
その時行ったスーパーは馴染みではないですが、数回行った事のあるスーパーなので、タロウはいつも通り、お菓子コーナーに一直線。
で、私はタロウが見える範囲で買える買い物をしていました。

ふと気が付くと、タロウの側に、もう1人男の子がいます。
タロウより少し大きいので、4~5歳という所でしょうか。
その男の子はなにやらタロウに話しかけている様子。

かぁちゃん「あらあら。早速仲良しさんみつけたのかなぁ」

なんて微笑ましくみていたのですが、どうもタロウの様子がおかしいのです。
その男の子の方を見もせず、ただ正面のお菓子を凝視しています。
それは、お菓子に気を取られているといった様子とも違います。
なんか、必死な雰囲気で、固まった表情です。

どーも様子がおかしいと思い、気づかれないようにそーっとそばに近づくと、その子が小さめの声でタロウに語りかけている言葉が聞こえてきました。

「なんだおまえ、なにしにきてんだよ。このやろう。ふざけんなよ。こいつ。おれをあまくみるんじゃねぇぞ。こんちきしょう。おまえなんかなぁ、おれがほんきだせば、すぐぼろぼろにしちまえるんだよ。いいきになるんじゃねぇよ。」

ひえええええええ!!!!
なんじゃそりゃ!!!なに、そのすっごい低次元な恫喝セリフ!!
こんな小さな子が、どうしてそんな事言えるの?!?!
てか、しかもタロウにしか聞こえないような微妙な小声だよ!!!
確信的なイジメ方じゃん!この子、なれてる!こーゆーいやがらせに慣れてるよ!!

と驚くと同時にタロウの様子をみました。

明らかに困っていて、怯えていますが、私に助けを求めようとはしていないし、その場から逃げようともしていません。

そのうち、その子の方がどこかに行ってしまいました。
タロウは、ほっとした顔で、私を捜し、意外に近くにいたので、笑顔を見せてくれました。

正直、本当は、もっと早く助けようと思えば助けられましたが、こういった子供のもつ無差別な悪意というモノは、これからもタロウに向けられる事があるだろうし、タロウだって人に向ける事もあるでしょう。
子供だって悪意を持つんだから。
「外部からの悪意」を認識できずに、「本人の悪意」を発動させる事が一番根が深い、と私は感じます。
だから、私は、こういった子供同士の悪意攻撃からタロウを守るのは、あんまりしないつもりです。
強くなって欲しいし、人を守れる子になって欲しい。打たれ強い子になって欲しい。

そんで、タロウと買い物を続けていたら、タロウがちょっと私から2メートルくらい先に進んだ時、どこからともなく、さっきの子がやってきて、またタロウにぼそぼそ話しかけてます。

「なにやってんだよ。ふざけんなよ。ばかやろう。おれさまからにげられるとおもってんのかよ。あまいんだよ。おまえは。ばかにするんじゃねえよ。なんだよ。こいつ。」

つか、この子だいじょうぶか。いろいろ。
親はどこにいるんだろう。

そうして、私のすぐ側で、そうした恫喝(?)を受けていたタロウは、それでも泣かず、表情は硬いものの、怯えたり怖がったりする顔をせず、やや歩調を早めながらその子と距離をとろうとしてます。
でも、追ってくるんですね。この子が。

まぁ、タロウは可愛いからゆがんだ愛情ストーキングなのかもしれないけど、さすがに私もムカムカきまして(笑)
あまりにしつこいストーキングに、タロウは徐々に私に近づき、わたしと買い物カートの間にすっぽりおさまりました(笑)
でも、私に助けを求めたり、泣いたりしません。無言で、必死にがんばっている感じです。

私とカートの間にタロウがはいっても、その子はタロウの側から離れませんでした。
ずっと、なにやら脅し文句をささやきかけてます。
さすがにブチッと切れてしまったので、タロウをがっ!と腕でかかえると、その子に言いました。

かぁちゃん「ボク、うちの子に、なんのごようかな?おかぁさんはいっしょじゃないの?」

子供と話す時は、子供目線に下げる事を心がけてる私ですが、この時ばかりは大人目線でやさしく、でも、目にちからを込めて語りかけました。
その時、その子は、はじめて私にきづいたような顔をして、にやにや笑いながら黙って去っていきました。

いや、もう、ちょっと親にいったろか、くらいな気持ちになっていましたが、タロウが必死でがんばっていたのが健気でさ。
その子が去って、あからさまに表情が柔らかくなったタロウだけど、その子が自分にどんな怖い思いをさせたのか私に訴える事はなかった。
正直、途中で泣き出すかと思った。泣いて逃げてくると思った。
けど、がんばった。タロウめ!可愛いなぁ!