アンチクライスト

アンチクライスト [DVD]
アンチクライスト [DVD]
  • 発売元: キングレコード
  • 発売日: 2011/09/07
  • 売上ランキング: 32002

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』の鬼才、ラース・フォン・トリアー監督が、ウィレム・デフォーとシャルロット・ゲンズブールを主演に迎えて放つ衝撃作。子供を失くした夫婦の悲しみと苦悩を、過激なセックス&バイオレンス描写と共に描く。

お気に入り度:rating_35.gif
ずっと見ようと思ってて、ずっと見そびれていたんだよ。
だって、私、デフォー大好きだもん。
だけど、この映画はいろんな評判を聞いていたから、ちょっと恐くてなんとなく、いつも後回しにしてたんだ。
そんで、まぁ、見たんだけど、いやね、もうね。
こういう後味を引きずりまくる感覚は、嫌いじゃない。
いつまでもいつまでも、脳の片隅にずっとこびりついたように残り続けるんだよね。
とにかく、奥さんがすごかったわ。
旦那のデフォーは、ずっと勘違い野郎だったわ(笑)
最初の方で、奥さんが、「私が病気になって、あなたは初めて私に関心を持った」的な事を言いますが、まさにその通り。
つか、この2人の根本は、ずっと前からこんな状態だったんだ、と。
旦那のデフォーは、「病んだ妻を助けたい」と思ってるワケじゃなくて、「病んだ妻を助ける夫であるセラピスト」になりたいだけ。
後半の方で、かつて山小屋で奥さんが書いていたという論文をデフォーが発見するんだけど、最初の方こそ、文字はちゃんと書かれているけれど、どんどん文字が乱れてきて、とうとう最後はまったく意味のわからないものに変わっていっている。
奥さんは、この頃から病んでいたんだな、と。
実は、ずっとずっと前から病んでいた奥さん。
そんな奥さんに、ずっとずっと無関心だった旦那。
旦那が関心があるのは、患者だけ。
治療の為、といって旦那が奥さんにさせる事は、ことごとく全部裏目にでる。
全部、奥さんをおいつめていく。
そして、絶対悪化するに決まってるのに、2人で、奥さんの恐怖の根源である森の山小屋に行ってしまう。
そんな開放された閉鎖空間に、たった2人で閉じこもって、奥さんの治療になるわけないじゃん。
案の定、奥さんはどんどん追い詰まっていって、いろんな事をしますよ。
何をするかは、言わない(笑) いてぇから(笑)
旦那さんは、段々、自分が間違っていたと気付きますが、認めようとしないで、逃げだそうとしちゃう。
病んだ奥さん大爆発っすよ。
どう大爆発したかは、さっきよりもっといてぇ(笑)
で、いろいろあって、奥さんを燃やして、山を下りる途中で旦那が木の実を食べてると、山の下から、大量の顔のない古い時代の服を来た女性が上ってくる。
旦那さん、ぼーぜんとして、終わり。
旦那が、ぱくぱく木の実を食べてるのが、ちょっと長めに映されるんだけど、それ多分なんか意味があるんだろうなぁ。
わからないんだけど、妙に生々しく、獣くさい感じがした。
山を登ってくる女性達にも、なんらかの宗教的な意味があるんだと思うんだけど、意味はわからない。
ただ、ただ、不気味だった。
旦那は、多分、山を下りれないだろうね。
死者の前に現れるっつー「三人の乞食」がいたし。

まぁ、でも、見事に鬱映画だったわ。
エロというか、ずっと生々しい獣的なエロ描写のオンパレードで、奥さんは目に見えてどんどんおかしくなっていってるのに、これはよくなってる兆候だ、とか言ってるデフォーは、馬鹿丸出しだった(笑)
とことんずれていく2人は、最初は結構笑えるんだけど、どんなにずれていても決してずれていないって言い張り続けてる感じが、もう、痛々しくなっちゃって、辛かった。
これは、ホラー映画でも、サスペンス映画でも、ましてやキリスト系の宗教映画でもない。
ずれた夫婦がもっとずれていく映画だった。
それだけなのに、ものすごい鬱になるものすごい映画だったんだよ。

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