ヒノキオ
- ヒノキオ
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- アーチスト: 中村雅俊
- 発売元: 松竹
- 発売日: 2005/11/26
- 売上ランキング: 21870
- おすすめ度
母の死をきっかけに自室に引きこもるようになった少年サトルの代わりに、彼が遠隔操作するロボットが登校する。材質に「ひのき」も使われていることから「ヒノキオ」と呼ばれるロボットが、サトルの目となり、手足となって通学するうち、ヒノキオ=サトルは友情や淡い恋も経験。同級生のひとりは、サトル自身にも会おうとする。設定は現代だが、ロボットの存在が当たり前になった社会が登場し、SFテイストも感じられる一作だ。
視覚や聴覚の情報を伝えるだけでなく、サトルがキーボード入力した言葉を音声で発するなど、ヒノキオの機能が面白い。驚くのは、CGのリアルさだ。ロボットのモデルによる実写部分もあるが、走る、ドラムを叩くなどヒノキオの複雑な動きがあまりにもナチュラルなうえに、背景との違和感がほとんどナシ。表面の質感や微妙な影も完璧に再現され、どこまでがCGなのか判別できないほどだ。後半の物語には、ゲームのバーチャルな世界が絡んで、やや作り過ぎのキライもあり、父と息子のドラマも平板だが、全体としてピュアな感動は残される。俳優陣では、同級生役を演じた多部未華子の存在感が際立っている。(斉藤博昭)【ストーリー】
自由自在に動かすことのできる遠隔操作ロボット‘ヒノキオ’で、学校に行った孤独な少年サトル。ロボットを通し、サトルと少年たちが見つけたものは・・・。
突然の事故で、母サユリ(原田美枝子)を亡くした少年・岩本サトル(本多奏多)は、ショックからリハビリを拒否し、車椅子で部屋に引きこもる生活をしていた。サトルの父で技術者の薫(中村雅俊)は、そんな息子を心配し、自ら開発したロボット<H-603>を与える。遠隔操作で自由自在に動くロボットを操作し、サトルは1年ぶりに学校に通い始める。
サトルのロボットは材料にヒノキが使われていることから、“ヒノキオ”と命名される。ふとしたきっかけでガキ大将のジュン(多部未華子)らと仲良くなったヒノキオ(=サトル)は、友情を知り、少しずつ心を開いていくのだが・・・。
お気に入り度:
いや、良くできてるよ。
ヒノキオの存在感とか質感とか、違和感ないよ。
ただ、話的には、かなり荒い。
ヒノキオ開発の設定とか、嘘くさいにもほどがあるし、なんでそんな大変なメカをヒッキー矯正用に利用すんだか(笑)
あと、終盤に出てくるオンラインゲーム世界と現実世界とのシンクロの奇跡とかがさ。
奇跡と呼ぶにはご都合主義的すぎて、意味がわからなくなってくる(笑)
でも、そんな設定上の大穴を覆い隠すほどの、すんごいエピソードがあるんですよ、これ(笑)
いや、ガキ大将のジュンが実は女の子だった、なんてのは、一目でわかるコト。
そんなコトじゃーないんですよ。
子供映画のフリをしながら、この映画、なかなかディープな大人の世界を見せてくれるのです(笑)
まず、ジュンと実は仲が良い美少女。この二人の共通点が、痛い(笑)
二人そろってどれだけ傷ついたからをポロっと臭わせるセリフがあるんだけど、それが案外生々しくて驚かされる。
それから、なにかとヒノキオとジュンにつっかかる「黒髪ロング&メガネの委員長」。
この子の存在がでかい(笑)
実は、この子が真の主役なんじゃないかと思うほど、この委員長っ子がいい味出してるんだよ(笑)
できれば、この子の正体とかは、実際に見て驚いてほしいけど、ネタバレ好きなので、かきますよ(笑)
この「黒髪ロング&メガネの委員長」、実は百合っ子(笑)
ジュンが超好きで、ジュンの縦笛をこっそり吹きます(笑)
あと、この子を超好きなへたれな中学生がいまして、この子の為ならなんでもします(笑)
ランドセルしょって歩くこの子の周りをうれしげにちょろちょろする学生服です(笑)
んで、この子に命じられてヒノキオをイジメたりするんですが、やり返されてしまい、怒った委員長っ子に、「つかえないわねっ!!」と踏みつけられます(笑)
なんか、大きいおにいちゃん達が喜びそうな設定だと思うのですが(笑)
これ、何も前知識なく、普通の子供映画だと思ってみると、えらい驚かされるよ。
いや、ほんとに。なかなかどーして。面白い