7DAYS
7DAYS
【あらすじ】
娘をレイプ殺害した犯人を、娘の父親が拉致監禁し、7日間拷問し続けてから殺すよ!という流れの映画です。
でも、ゴアゴアホラーではなく、どっちかというとそっちの方向で期待していた私は、期待はずれでした。
この父親というのが、外科医で、人体については知り尽くしているもんだから、拷問も非常に考慮された事をやるんですねー。
何をされてどーしたら人体構造的に辛いのか、ものすごい熟知してるから。
ただ、結局やったのは、膝割るのと、内蔵からなんか取り出すのと、なんかの人工臓器だったのかな。
いまいちパンチ不足というか、いや、ほんとにゴアゴアホラー期待しちゃったから、肩すかしでしたね。
話の構造的には、拉致監禁した後、警察に「7日後に殺す」って言っちゃってるから、それまでに父親を見つけようとする警察とのかくれんぼの方が主体なんだけど、使い古された手のかくれんぼなので、あんまりハラハラ感がないです。
後半、同じ犯人に子供を殺された遺族達がテレビに出てきて、父親のやってる事を支持します、とか言うんだけど、その中に一人だけ、「支持しないし、無意味な事」という母親が出る。
父親はその母親をさくっとさらってきて、犯人に対面させるんだけど、その母親は「もう終わったこと、なかったこと、わすれたこと」って姿勢を貫いて、目の前の犯人を認めないのね。
ちょっとここらへん、面白くできたトコだと思うんだけどなぁ。
ここで、テレビで言ってた事と真逆に、「てめー!こんちくしょー!」的なマジ切れ具合で、犯人になぐりかかってくれたらよかったのに(笑)
あと、奥さんがとっとと怒りを忘れて、「夫は悲しみのあまり狂ってしまった」とか言い出すのが、なんだろー、違和感。
ぜってー、そんな風に考えられないって。可愛い我が子があんな目にあちゃってんだから。
私だったら、何をするかはもう決めてある。もしも、そんな事が私の最高に可愛いタロウに降りかかったとしたら、何が何でも犯人にやってやろうと思っている事がある。
だから、それは絶対する。絶対ね。何をするかは内緒だよ!
なんか、この映画は、出てくる人誰もがそういうはっちゃける方向には絶対に行かない。
みんな途中であきらめる。
それもリアルなんだろうけどなぁ。
とにかく、予想したラストとしては、「犯人殺して、父親自殺or警察により射殺」か「犯人殺して父親投降」か「犯人殺せず父親自殺」の、うちのどれかになると思ってたんだけど、このどれかでもなかったねー。ちょっとそれが意外。
なんつーか、サスペンス要素もあんまり高くなく、父親をとりまく人たちの葛藤もそんなに深くなく、ゴア要素も少なめで、ちょっとどの方面からみても物足りなかったなぁ。
父親自身も、始めた事に対して、あまりはっちゃけてなくて、若干後悔気味だったり、勢いがなぁ。
まぁ、でも、そういうどっちに対しても振り切る事ができなかったってあたりは、リアルなのかもしれない。
音楽もあんまり使われないし、おいかけっこ具合も結構スローで、緊迫感やタイムリミット感は薄い。途中から、犯人への拷問描写がすっかりなくなったりするし、母親も出てこなくなる。父親の行動への社会の反応を絡めた割に、それも途中で語られなくなるし、なんか、どうにもどっちつかずのすっきりしない感じが残るなぁ。