愛と死の間で

愛と死の間で
愛と死の間で
  • 発売元: パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
  • 発売日: 2006/05/12
  • 売上ランキング: 17062

製作総指揮:シドニー・ポラック
製作:リンゼイ・ドーラン<    チャールズ・H・マグワイアー
監督:ケネス・ブラナー
脚本:スコット・フランク
撮影:マシュー・F・レオネッティ
音楽:パトリック・ドイル

出演:ケネス・ブラナー
エマ・トンプソン
アンディ・ガルシア
デレク・ジャコビ
ハンナ・シグラ
キャンベル・スコット
ロビン・ウィリアムス

商品の説明
内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)
英の才人K・ブラナーがハリウッドのメジャー資本で監督・主演した、輪廻転生を題材に描いたサスペンスミステリー。40年の歳月を超えて結びつく超常現象が巻き起こす恐怖を、ヒッチコックばりのサスペンスタッチで描いた作品。

内容(「Oricon」データベースより)
前世の記憶を頼りに40年前に起きた事件の真相を明らかにしようとする二人の男女の悲劇を描いた、ケネス・ブラナー監督・主演で贈る戦慄のサイコ・サスペンス。

お気に入り度:rating_35.gif

これは、上品で上等なサスペンスです。
かなりの良作。「映画」という体裁をとても理解して作っている感じ。
前知識なく見ると、間違いなく、驚くほどの楽しめる映画です。
ただ、不思議と知名度が無いのよね。
主演者とか豪華なのに。ロビン・ウィリアムズまで出てるしね。

お話の始まりは、割とダイナミックにスリリング。
セピア色で、ショッキングな殺人事件を報じる新聞紙面が写されていきます。
美しいピアニストのマーガレットがハサミで惨殺され、夫の作曲家ローマンが逮捕される。
そして死刑宣告。
死刑執行の日、面会に来た新聞記者グレイに「妻を愛していた。これからも永遠に愛しつづける。」と告げ、記事に書いて欲しいと依頼。
その時、グレイからの「本当に君が殺したのか」という問いに、耳元で何かを囁いて死刑場へ向かうローマン。その手には、最後の散髪に使われたハサミを隠し持っていた。
それに気づいたグレイがあわてて後を追うが、ローマンは、聴衆の”誰か”に向かって、大きくハサミを振り上げていた。

と、最初の設定。
妻殺しの夫。夫に殺された妻。事件を追う新聞記者。そして最後、夫がハサミを振り上げた”誰か”。
登場人物はこれでほぼ説明できちゃう。彼らの関係が、輪廻転生した現代の”彼ら”に関わってくる物語です。転生前の過去の出来事は、モノクロ映像。現代の映像はカラー。
だから、同じ俳優が演じていても、非常にわかりやすく、効果的な見せ方です。混乱しないです。

ここから現代。映像はカラーに。

修道院(過去のローマン邸)に記憶と言葉を失った女性が保護される。
その修道院の神父は、ある私立探偵に、彼女の身元捜索を依頼する。
この私立探偵を、過去のローマン役のケネス・ブラナーが演じ、身元不明女性を、過去のマーガレット役のエマ・トンプソンが演じてます。
ある程度の関係性は、すぐに提示されてしまってるって事ですね。
んで、古美術商のおじいさんが、催眠術を使って彼女の過去を蘇らせる事にする。
身元捜索の為の「彼女の記憶回復」だったのに、何故か前世の記憶が蘇っちゃう、という流れです。
何度かの催眠術で、徐々に明らかになってくる過去の”彼ら”の関係。

実際登場人物は少ないから、過去の”彼ら”が現代の誰なのかは、結構簡単に予想がつく。
それでも、本当の転生関係が全部明らかになると、びっくりせずにはいられない。

私はこれ、幸運な事に、ほとんど前知識の無い状態(あらすじすら知らずに)で、映画館で見たんだけど、全部わかった時には、思わず「えーーーーー!?!?」とちっちゃく声が出ました(笑)

15年ぶりにDVDで見直してみて、そういうびっくり要素を抜いても、映画としてとても綺麗に隙なく作られているのに、もう一度驚いた。
面白いや。やっぱりこれ。
つか、もう15年も前の映画なのねぇ。
いや、でも、やっぱりすごい面白いよ。
過去のモノクロ映像の時は、なんつーか、「オペラ座の怪人」的な時代の豪華さや、美麗さがあってさ。
好きな雰囲気なんだよね。

ただ、疑問に思ったのは、冒頭の過去シーンで、ローマンがハサミを振り上げた人物。
ローマンは、本当の犯人を知っていたんだろうか?誤解してたんだろうか?
それと、振り上げたハサミは、その後、どうなったんだろうか?
それが一切語られてなかったので、残念。

何故か、同じ邦題で内容の全く違う韓国映画が公開されるようだけど、全く本当に無関係です。
正直、どう考えてもこっちの方が優れてると思うけどもね。

DVD