13人の刺客

十三人の刺客 通常版 [DVD]
十三人の刺客 通常版 [DVD]
  • 発売元: 東宝
  • 発売日: 2011/05/27

今、ちょっとした縁があって、まだDVDリリースされてない「13人の刺客」みてんだけども、すげー面白い。
三池監督、思いっきりやりまくったね!
いやー、もー、すげーわ。
ネタバレしまくりなので、ちょと隠す

一番すげーと思ったのは、冒頭、鬼畜な殿のゴローちゃんに、手足を切られ舌を抜かれて慰み者にされていた女に、母や兄弟の行方を聞いたらば、「みなごろし」と紙書いたのをみせられた役所広司が、「ふっ」って笑うのよ。
笑うんだよ、この場面で。目をぎらって光らせながら、恐ろしい笑いなのよ。
ほいでもって、次に「面白いものでございますな」って言うのよ。
こんな酷いことされた女に対してそういう事を言うはずがないのはわかってるよ。
じゃあ、なんで笑ったかというと、この時点で、自分に託された使命を悟り、その使命の重さと難しさを瞬時に理解して、その上で、笑ったのよ。
武者震いの類の武者笑い?ってやつみたいなんだけど(笑)
いや、なんか、すげーよ。あの笑いは。
ぞっとしたけど、一気に目が離せなくなった。
んで、いろいろあって、仲間が次々に集まってくるんだけど、私の大好きな古田新太が出てるのがいーよね。
大好きな古田新太がチャーミングなのは当たり前だとして、悪役の稲垣ゴローちゃんの鬼畜っぷりが、もんのすげー!
本当に、心底鬼畜。これが本性なんだろ、と思うくらいに、すさまじい鬼畜っぷり。
いいのか、ジャニーズのアイドルにこんな事させて。
あとね、ケータイ捜査官のケイタ役をやってた窪田正孝が、なんつーか、めちゃくちゃ色っぽくて可憐で可愛い。
野に咲く一輪の花のようにかわいらしい。
ほーけた顔で、油まみれの敵に火を放つ愛らしさったら(笑)
この子、伊原剛志に絶対恋してる(笑)
そして伊原剛志の色っぽくも凛々しくも美しくも鬼強い様ったらないのよ!
すげー、これ、すげー面白い。
途中途中で、逃げ回るゴローちゃん殿が、心底うれしそうなのね。命狙われてるし、家臣ばたばた死んでいくし。
なんか、もう、そういうのが楽しくてしょーがないらしく、「戦をやってた時代ってこんなだったのかな。じゃあ、余が老中になったら戦をひろめる世にしようっと」とか言い出しちゃったりしてて、なんか、ぶっこわれすぎててもう清々しいのよ(笑)
で、次々仲間は減っていって、大好きな新太の最後が、おざなりな扱いだったのが残念。
新太は、魔界転生でも槍使いをやってたし、槍が得意と本人も言ってたくらいだから、槍さばきはもうめちゃくちゃかっこよかった。
最後のゴローちゃんがまた壮絶。すごいわ。これはすげーよ!
ゴローちゃんとの対決の前に、役所浩二と市村正規の対決もあんだけど、これは、まぁ、確実に役所が勝つな、とわかるけどさ。
んで、負けて切られた正規の首を、ポケンとゴローちゃんが蹴るのよ。無表情で。
ありえないでしょ。さんざん守ってもらって、最後の最後までサムライとしての殿への忠義だけで生きてきた部下の首をポケンと蹴るなんて。
あんまりの事に役所広司が、「主君の為に命をかけた家臣の首を、お蹴りなされた!」と言うと、「蹴りたければ余の首も蹴るがよい」とか言っちゃうのよ。すげーな、もう!
あと、最後の最後に伊勢谷が場違いな不死身っぷりを披露すんだけど、これが、なんていうか、ああ、三池監督だな、って感じで、馬鹿馬鹿しくて笑っちゃうのよ(笑)
こういう事、絶対入れないと気が済まないんだなぁ、と(笑)
なんか、全開だったな、三池監督、って感じで、ものすごい面白かった。

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