デビルズ・バックボーン
- デビルズ・バックボーン スペシャル・エディション
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- アーチスト: エドゥアルド・ノリエガ
- 発売元: 角川エンタテインメント
- 発売日: 2004/12/10
- 売上ランキング: 45182
- おすすめ度
商品の説明
内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)
ギレルモ・デル・トロ監督、ペドロ・アルモドバル製作によるホラー。人里離れた孤児院に連れて来られた12歳の少年・カルロス。彼を迎える大人たちの不気味な雰囲気と、どこからか聞こえてくる囁き声に恐怖を感じながらも興味を抱くカルロスだったが…。内容(「Oricon」データベースより)
ホラーの鬼才デル・トロ監督作品。内戦下のスペインで人里離れた荒野の真ん中に立つ孤児院を舞台に、夜ごとに出没する少年の霊に悩まされる少年の姿と、その孤児院に隠された秘密を描く。エドゥアルド・ノリエガほか出演。内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)
怨みを残して命を絶った少年の霊? スペイン内戦時、周囲から隔絶した環境に位置する孤児院へやって来た主人公カルロス。彼はその日から、数々の不思議な現象に遭遇するようになる。というと、そのままホラーとして展開するかと思いきや、さにあらず。孤児院の女園長と若い使用人との秘めた情交など、ドロドロとした人間関係がからみ、いつの間にか楳図かずお『漂流教室』の世界へと突入していくのだ。『ブレイド2』『ヘルボーイ』と、波に乗るメキシコ出身、ギレルモ(スペイン語発音だとギジェルモ)・デル・トロ監督がペドロ・アルモドバルに招かれて撮った良品。見終わった後のほろ苦さ、心地よさからして、“ホラーは苦手”という人にもオススメしたい。 (丸目蔵人) — 2005年02月号
お気に入り度:
うーん。どうだろう。これは、「ホラー映画」というジャンルじゃないと思うなぁ。
なんか、すごくいい感じ。好きな雰囲気。
沢山の要素が上手に詰まってる。決してごった煮じゃなくて、綺麗に同じ重箱に収まってる感じ。
まずこの物語は、1930年代のスペイン内戦下、という時代背景がある。
でも、この時代背景について、わかりやすく説明されてはいない。
「背景」は「背景」だから。
背景を説明する、背景の見方を教える、なんてのは必要ではないのでやってない。
なので、多少おいてけぼり感や何のことだろう感はあるんだけど、それは重要な事ではないので、いつしか気にならなくなるのです。
主人公は孤児の12歳の少年。つれてこられた孤児院で、不思議な体験をする。
それと平行して、孤児院の大人達の別の顔が浮き上がって来る。
なんか、12歳の男の子が主人公の映画って、久しぶりに観た気がする。
坊主産んでから初めてかもしんない。
だから、なんだか、主人公とその仲間の孤児達を見る目線が、異様に暖かいのに自分で気づいてびっくりした(笑)
孤児院にきたばかりの主人公は、お決まりの展開として苛められる。
そして、さらにお決まりの展開として、色々あって自分を苛めていたグループと仲良くなる。
なんかなー。なんだろーなー。この微笑ましい気持ちは(笑)
やっぱり坊主と重ねてるんだよねー(笑)
大きくなってこんな風に人との付き合いを重ねていくんだろーなーとか思うとねぇ。
涙目にさえなってくる(笑)
いや、わらわらと細っこい子供達が走り回っている図は、それが例え悪い大人を倒す為に
手製の木の槍を持っていたとしても、なにやら目線が生暖かくなるのを止められない(笑)
話はね、やっぱりホラー要素があるんだけどね。ちゃんと幽霊出てくるし。
んで、この幽霊が新しく入ってきた子にしか語りかけないのよね。
なんでだろう?って考えて。たぶん、今まで綱渡りのような微妙なバランスで
続いてきた平和な孤児院での生活が、自分の死と共にバランスを崩して崩壊していくのを、
少しでも止めたくて、自分を知らない「新入りの子」を選んだのかな、と。
もし、自分を知っている子を選んでいたら、自分を殺した「犯人」もその「原因」も
あっという間に見つかって、孤児院中にその問題が広がってしまう。
「新入りの子」であれば、知らないことの方が多いから、「自分の復讐」だけで
問題をおさめてしまえる、と考えたのじゃーないだろーか、とかなんとか
つか、この幽霊クン。なかなか良いのです。
水槽の深くに沈んでるから、現れた時、彼の周りは水の中っぽい浮遊感があるのです。
割れた頭から流れる血は、水の中のように漂いぼやけ上に上っていくし、常に彼の周りは
ゆがんで、小さな浮遊物がきらめいてる。
かなり良い感じで幻想的。
あと、大人達の設定もなかなか良い。
もうおばあちゃんだけど美しい義足の院長先生。彼を慕い続ける老いた科学教師。
この院長先生が、親子以上に年の離れた青年と、肉欲のみの肉体関係を持ち続けていたというのは、結構ショッキング。
科学教師もいいんだよ。
本当に、子供達の事を、院の事を、院長先生の事を愛してるんだよ。
彼が最後、院を守る為に佇んでいる姿には、感動する。
ラスト、水槽の上に佇む幽霊クンが愛しい。
彼の復讐は終わったものの、彼の哀しみ(院が崩壊してみんながバラバラになってしまった事)は続く。
だから、彼は去れない。去らない。
可愛いよ。うん。いい子だ。
もう、子供達ってだけで、こんな見方ばっかりしてる自分にちょっと嫌気がさしたりもするけど(笑)
それを抜いても、これは十分面白かった。
でも、「ホラー映画」では無いよ、これ。
あと、「デビルズ・バックボーン」=悪魔の背骨って題名はどうだろう。
いたずらにホラー要素を強調しすぎてて、ちょっと内容とは合ってないと思う。